「スマホ持っていなかったらいじめられる?」
「SNSのいじめの具体例を知りたい。」
「子供がいじめられるのを未然に防ぎたい。」
このような悩みを解決できる記事です。
現代社会では、スマホが日常生活に欠かせない存在となっています。しかし、スマホの所持率があがるとともに、子供たちの間での「スマホいじめ」が増えているのも事実です。
この記事では、スマホいじめの種類、原因、対処法について詳しく解説します。この記事を読めば、スマホいじめに対する深い理解と実際に役立つ対処法が学べます。子供たちをいじめの脅威から守るための知識と対処法を身につけ、彼らの健やかな学校生活をサポートしましょう。
子供たちを守るためにまず親が対処法を学びましょう!
3つのスマホいじめ
スマホの普及によって、年々相談件数が増えている「スマホいじめ」。スマホいじめは以下の大きく3つに分類されます。
LINEいじめ
LINEを使ったいじめは、メッセージの拡散や集団による排除が特徴です。
・LINEグループのグループチャットでいじめ対象の子の発言を無視したり強制的に退会させられる
・いじめの対象の子を除いたグループで悪口を言われる
上のような実例があります。
「LINEグループ」とは、複数のメンバーを集めて会話や通話ができるというLINEの機能
LINEは匿名性が低く、知り合い間でのコミュニケーションが主で、便利なツールですが、個人をターゲットにした攻撃や嘘の拡散が簡単にできてしまいます。
LINEいじめが厄介なのは、周りが気づきにくいことです。リアルでのいじめは、学校や塾など場所が限定的なので目撃されることが多く、周りも気づきやすいのですが、ネットいじめの場合は保護者や先生の知らないところで行われることが多いです。
グループLINEで悪口を言われたり、嫌な写真を共有されたりしても、LINEは外部から検索ができないので、家族や先生も気づきにくいのが大きな問題点です。
LINEは日常生活に欠かせないから、対策しにくいわね。
SNSいじめ
SNSでのいじめは、匿名で攻撃を受け、広範囲で拡散されるため、精神的ダメージを大きくするのが特徴です。以下のような実例があります。
・SNS上で、誰かを傷つける言葉や嘘の情報を拡散させたり、不適切な写真を投稿する
・ダイレクトメッセージで誰かを傷つけたり、脅迫するようなメッセージを送る
・特定の人になりすまして、悪質ないたずらをする
SNSの公開性と匿名性が、悪意あるコメントや噂の拡散を促進します。個人情報もすぐに拡散されてしまうので、トラブルが起きないように日頃から気をつけなければなりません。
持っていないことへのいじめ
現在、小学生は約60%、中学生は約90%がスマホを持っているというデータが出ています。中学生はほとんどの子が持っているので、持っていない子からすると、疎外感をおぼえてしまうことはあるでしょう。
株式会社ニフティが行った調査によると、スマホを持っていない子に対して「スマホを持っていないことで何かトラブルが起きたことはあるか?」と質問したところ、小学生で30%、中学生にいたっては約半数の47%がトラブルに巻き込まれていることがわかりました。
トラブルがあったと答えた子は、
・LINEのグループに入ってなくて私だけ知らなかった連絡があった
・「まだ持ってないの?」と、いじめられた
・話に入りづらくなった
と回答し、持っていないことへの劣等感をおぼえている子は多いです。
スマホ所持率についてさらに知りたい方は以下の記事で詳しく解説しています。
ネットいじめのデータ
2022年度の文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校調査」で、各学校でいじめとして認知されたのは計約68万件にのぼります。そのうち、「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」は2万3920件にのぼり、過去最多を更新しました。
全体に占める割合は3.5%ですが、高校では16.5%で2番目、中学校では10.2%で3番目に多いです。ネット上のいじめは大きな問題となっており、今後も増えていくことが予想されています。
ネットいじめは名前を隠して行えるため、子供たちは簡単に行います。しかし、一度ネット上で広まったいじめの証拠は、削除するのが非常に困難なので、非常に危険な行為です。SNSなどを使ったいじめは、大人の目につきにくいため、見つけるのも難しい問題なのでいじめを未然に防ぐ対策を心がけましょう。
スマホいじめの原因
スマホによるいじめは、インターネットとスマホの普及とともに増加しており、主な原因は匿名性やアクセスの容易さ、見えにくいネットの社会的環境にあります。
匿名性
スマホやSNSの匿名性が高いため、加害者は自分の身元を隠しながらいじめを行いやすいです。身元を隠すことより、行動に責任を感じにくくなります。いじめをする側は匿名の存在として害を与えることで権力意識やコントロール感が生まれ、攻撃がエスカレートしていく傾向にあります。
顔が見えないから他人を傷つけることへのためらいがないのね。
アクセスの容易さ
ネット、スマホのいじめの怖いところはインターネットに接続できる環境があれば、いつでもどこでもいじめが続いてしまうところです。24時間いつでもいじめが可能な環境が生まれています。画像や動画が簡単に保存、共有、拡散できてしまうので、被害が大きくなりかねません。
今までは学校だけとかだったけど、家に帰ってからも続くのは怖いですね。
知識や対策の不足
子供や保護者、学校側もスマホによるいじめに対する正しい知識や対策の不足が、問題の解決を困難にしています。そして、対策がされていないまま、次のいじめが発生している状況です。
スマホによるいじめ問題に対処するためには、匿名性を制限する措置やネットの規制、子供たちへの教育プログラムの充実、そして親や教育関係者による監視とサポートが必要です。社会全体でネット、スマホによるいじめ問題に取り組んでいかなければなりません。
いじめの兆候
いじめは、子供の行動や情緒に現れる変化を通じて認識することができます。子供のサインに早期に気づくことは、いじめを未然に防ぐまたはいじめの影響を最小限におさえるために重要です。
いじめられている子供の行動の変化
学校やネットでいじめの被害にあった子供は学校へ行かなくなるなどの行動が変わってきます。
NHKは2019年、前年度に不登校または不登校傾向があった中学生に直接アンケート調査をしました。同様の調査は文部科学省も実施していますが、回答者は教員です。NHKは比較ができるよう、項目を文科省調査に揃えて実施。すると不登校の要因を尋ねた設問で大きな差が出ました。
不登校の要因が学校での「いじめ」は文部科学省が0.4%だったのに対してNHKは21%と大幅に上回り、子供と教員の考えの差に大きな溝があります。いじめが原因で学校に行かなくなる子供は一定数いるようです。
他にも、以下のような変化が見られます。
・ストレスや不安が原因で集中力が落ち、成績が下がる
・以前は社交的だったが、急に引きこもりがちになる
・急に感情的になったり、いつも以上に怒りっぽくなったりする
昨日と今日で急に変化する場合があるので、子供の些細な変化に気づいてあげましょう。
オンラインでの兆候と警告サイン
ネットいじめに直面している子供たちは、オンラインでの行動パターンや変化を示します。ネットいじめに遭遇した子供は、オンラインでの活動を急激に増やすか、逆にSNSやオンラインゲームから完全に撤退することがあるので、注意深く見守ってください。
リアルな友達の間でトラブルがあれば、オンライン上で居場所を見つけますし、オンライン上でトラブルがあれば、急にSNSやオンラインゲームをやめる場合があります。急激な行動の変化は警告のサインの可能性があります。
他にも、以下のような行動の具体例が挙げられるでしょう。
・電話に出ることやパソコンをつけるのを突然嫌がりだす
・SNSをより頻繁にチェックしている一方で、親が近づくと画面を切り替え、画面を隠そうとする
・憂鬱そうな様子を示したり、TVやゲームなど、以前は楽しんでいたことに集中できなかったりする
親がアンテナをはって、子供のサインに気づくことが何より大切ね。
いじめにあいやすい子供の特徴
今までいじめの被害にあいやすい子供の特徴は、
・物静かで孤立している
・身体的や感情的に特徴がある
・学業の成績が極端に高いまたは低い
のような子でしたが、ネット、スマホによるいじめは「活発で目立つ子」でも対象になるなど、あらゆる子供がいじめの対象になる可能性があります。
スマホいじめの被害者である場合の対応
親としてのどう対応するか?
子供がいじめの被害にあった際は、親としてどのように対応すべきかを理解することは非常に重要です。以下に、スマホによるいじめに直面した際の効果的な対応策を解説します。
- コミュニケーションをいつもより心がける
- 問題の詳細を把握する
- 学校や専門家に相談する
- オンラインでの安全対策を強化する
- 子供のサポートの強化
1.コミュニケーションをいつもより心がける
やはり子供とコミュニケーションを取ることは最も大切です。子供が普段から親を信頼して相談できる環境をつくってあげてください。定期的に子供の日常やオンラインでの行動について聞いてあげると、いざトラブルが発生した際も子供が話しやすいでしょう。
子供が相談してきたときに気をつけるのは、すぐにアドバイスすることです。子供が話しているときは、非難や急な判断を避け、耳を傾けることが重要です。子供が感じている感情を理解し、サポートする意志があることを示しましょう。
2.問題の詳細を把握する
いじめがどこで行われているのか、どの程度広がっているのかを理解することで、適切な対応策を講じることができます。
スクリーンショットの取得やメッセージの記録など、いじめの具体的な証拠を保持することが重要です。必要に応じて学校や法的手段に訴える際の根拠となります。
子供だけで証拠を保持するのではなく、親としても保管しておきましょう。
3.学校や専門家に相談する
いじめの詳細を把握した後は、学校に連絡を取り、問題を共有しましょう。学校としても対応策を取れます。
注意すべきは、教師を敵に回さないことです。被害者側からは理不尽だと感じますが、学校は警察でもなければ、裁判所でもないので、どちらかの味方になることはありません。
ここに憤って、被害者であることを前面に出して教師を責めると学校は簡単に敵に回ってしまいます。
最小限の傷で済むことを望むならば、加害者と学校を責めてはいけません。みんなで良い方向に向かいたい、そのために自分(親)に何ができるのかを教えてほしい、できることは何でも協力したいと申し出ることが大切になります。
子供のためを思って、怒りをおさえて冷静に対応していきましょう。
外部へ相談する際、いきなり弁護士に相談するのではなく、まずはNPO法人に相談しましょう。適切な対応を教えてくれるのでオススメです。
4.オンラインでの安全対策を強化する
スマホで利用するアプリやWebサイトの閲覧制限サービスを使って、親がスマホ利用を管理してあげるのも、新たないじめを止めるには効果的です。
子供の年齢に適さないサイトをブロックするWebフィルタリングの機能や、SNSやトークアプリなど親がいれさせたくないアプリのインストールに制限を設ける機能などがあります。
他にも、いじめを受けている、もしくは友達がいじめられていることを匿名で相談できるアプリ「STANDBY」というサービスがあります。あらかじめ子供のスマホにいれてあげれば心の支えになる可能性があるので、検討してみてください。
STANDBYについての詳細が知りたい方は下記リンクをご覧ください。
子供のスマホ制限について知りたい方は以下の記事に制限のかけ方など、詳細を書いているのでぜひ読んでみてください。
5.子供のサポートの強化
いじめの被害にあって一番つらいのは他の誰でもない本人です。親としていたたまれない気持ちになると思いますが、まずは本人がいじめの経験を乗り越えられるように、とにかく愛情を注いであげてください。愛情が一番のサポートになるでしょう。
家に居場所をつくってあげることが、いじめをはねのける一番の近道なので、親子で共通の趣味や活動に参加して少しでもストレスを和らげてあげてください。
普段から子供が親に相談できる環境づくりを意識しましょう。
被害者にも加害者にもさせないために
いじめを未然に防ぐ対策として、普段から親子でスマホの使用方法について意識を高めることが重要です。相手の反応が見えないインターネット上では、思わず軽率な発言をしてしまいがちです。子供がメッセージを送る前に、相手を攻撃したり不快にさせたりする可能性がないか、冷静に考える習慣を身につけさせましょう。
いじめがおこる前に普段からコミュニケーションを大事してください。
子供がいじめの被害者になっている場合、スマホの使い方を日常の話題にすることで、親子間でのコミュニケーションが促され、子供が相談しやすくなります。親が子供のスマホ使用に関心を持つことで、信頼関係が深まります。
まとめ いじめを未然に防ぎ、適切な対応を取ろう
ネットやスマホによるいじめについて解説してきました。最後にこの記事についてのまとめです。
- スマホのいじめには、「LINE」、「SNS」、「持っていない」の3つがある
- ネット、スマホのいじめは年々増えている
- スマホいじめの原因は匿名性やアクセスの容易さ、知識不足が関係している
- いじめられている子供は親や教師にサインを出している
- ネットやスマホのいじめは「活発で目立つ子」でも被害にあう可能性がある
- 子供がいじめられたら、まずコミュニケーションを心がける
- 普段から愛情を注いで家族の居場所をつくってあげる
スマホいじめに限らず、いじめは子供たちの成長を妨げる深刻な問題です。社会全体でいじめ問題に取り組み、子供たちが安心して学べる環境を提供することが、今後ますます重要になってきます。
まずは家族で子供を守る体制を整えて、いじめを未然に防ぐのを第一に考えましょう。親子で楽しくスマホライフが送れることを祈っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。