「子供のスマホのルール、どう決めたらいいの?」
「子供に契約書を書かせてもいいの?」
こんな疑問を解決できる記事です。
中学生の子供にスマホを持たせるとき、多くの親御さんが悩むのが「ルール」の決め方です。
「ゲームばかりして勉強しない」「SNSでトラブルに巻き込まれて」など、スマホの使いすぎや不適切な利用による問題がとても身近になっていて、不安もありますよね。
私が高校生の時も、携帯のいろんな誘惑がありました
そんなとき、親は「スマホを禁止する」という選択肢も考えてしまいがちです。
しかし、スマホは現代の子供にとって欠かせないツールです。
禁止してしまうと、子供が孤立したり、情報やコミュニケーションの機会を奪ってしまったりする恐れもあります。
そこで、この記事では、中学生にスマホを持たせるときのルールの決め方について、お伝えしていきます。
- 子供にスマホを持たせるときの注意点
- 子供のスマホルールの決め方
- 中学生に最適なスマホのルール
- 契約書の書き方
中学生にスマホを持たせるときの注意点
子供にスマホを持たせるときの注意点は、主に3つあげられます。
スマホを正しく使ってもらえるために、詳しく注意点を見ていきましょう。
スマホ依存症
1つ目の注意点は、スマホ依存症です。
医療機関では次のように定義されています。
スマートフォンの使用を続けることで昼夜逆転する、成績が著しく下がるなど様々な問題が起きているにも関わらず、使用がやめられず、スマートフォンが使用できない状況が続くと、イライラし落ち着かなくなるなど精神的に依存してしまう状態。
引用:東邦大学医療センター大森病院 メンタルへルスセンター(イル ボスコ)「スマホ依存について」
具体的には、以下の行動があります。
・スマホを取り上げると、暴れる
・授業中など、TPOをわきまえずにスマホを触ってしまう
・スマホが使えないと、イライラする
アルコール依存症やギャンブル依存症と同じ症状があるんだな。
ネットトラブル
2つ目の注意点は、ネットトラブルです。
子供たちがまだ未熟なことから、大人以上にトラブルに巻き込まれる可能性は高いです。
具体的な事例として、
・小学生の男の子が親の財布からクレジットカードを抜き取り、スマホゲームに課金
・いじめ動画をInstagramに投稿し、大炎上
・Tiktokに投稿した動画から、住所が特定されストーカ被害に遭う
・漫画を気軽にアップロードして逮捕される
など、本当にたくさんの事例があります。
実際、上の表にある通り、「トラブルに巻き込まれた経験がある」と答えた小中学生は、合わせて32.5%もいます。
3人に1人は何らかのトラブルに巻き込まれているんですね。
健康被害
心身の成長期にある子供たちにとって、スマホは大きな影響を及ぼしています。
具体的には、次の3つの健康被害があげられます。
睡眠への悪影響
1つ目は睡眠への悪影響です。
下の表は「次の日に学校がある日の就寝時間」と「1日でスマホを使う時間」のクロス集計表です。
文部科学省「睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査の結果」より作図
分かりやすくまとめると、
次の日に学校がある日の就寝時間 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
~21時 | 21時~22時 | 22時~23時 | 23時~0時 | 0時~1時 | 1時~2時 | 2時~3時 | 3時~ | ||
一 日 の ス マ ホ 使 用 時 間 | しない | 2.0% | 13.7% | 39.4% | 29.9% | 10.2% | 3.1% | 1.0% | 0.6% |
~1時間 | 1.3% | 7.9% | 35.8% | 36.3% | 12.8% | 4.5% | 1.1% | 0.4% | |
2時間 | 1時間~0.8% | 5.2% | 29.8% | 41.7% | 16.0% | 5.0% | 1.2% | 0.2% | |
3時間 | 2時間~0.8% | 4.4% | 23.7% | 38.2% | 21.8% | 8.1% | 2.6% | 0.5% | |
4時間 | 3時間~1.1% | 2.7% | 21.1% | 39.0% | 20.9% | 10.7% | 3.7% | 0.8% | |
4時間~ | 0.9% | 1.4% | 13.8% | 30.5% | 27.3% | 16.6% | 5.6% | 4.0% |
一日のスマホの使用が2時間までの中学生は午前0時までに就寝する人が約8割ですが、4時間以上スマホを使用している人で午前0時までに寝る人は5割を切っています。
スマホを使用すればするほど、睡眠時間が削られています。
睡眠時間が減ることによって、イライラして心の健康に影響があります。また、学校での勉強にも支障をきたすパターンもあります。
姿勢の悪化
2つ目は「姿勢の悪化」です。
ゲームなどでスマホに夢中になると、背中は丸くなり、顎が前に突き出て、首の骨がまっすぐに並び、前かがみになる傾向があります。(スマホ首・ストレートネック・猫背)
放っておくと、手足の痺れや、めまい、耳鳴りや不眠といった自律神経系の症状の原因にもなります。
視力の低下
裸眼視力1.0未満の推移 | 昭和54年度 | 令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 |
---|---|---|---|---|
小学生 | 17.91% | 34.57% | 37.52% | 36.87% |
中学生 | 35.19% | 57.47% | 58.29% | 60.66% |
高校生 | 53.02% | 67.64% | 63.17% | 70.81% |
上の表は裸眼視力1.0未満の者の推移だが、年々増加しており、過去最悪を更新している。
コロナ禍でスマホやタブレットなど、画面を近くで見る時間が以前よりも増え、生活習慣が変わったことも要因だが、スマホはそれだけ視力に大きな影響を与えるということは間違いないと思います。
中学生に最適なスマホルール
ここでは各家庭で実際に決められている具体的なルールをご紹介します。皆さんももし、ルールを決めることがあれば、参考にしてください。
ルールを決める際のポイント
子供と親の間でルールを決める際には以下のポイントを意識しながら相談すると良いですよ!
- スマホ使用の時間帯
- スマホを使用する場所
- アプリの制限や、課金する際のルール
- SNSの利用範囲
- 写真や個人情報の取り扱い
- 成績が落ちたときや、視力が低下した場合の対応
- 連絡先の交換相手の確認
以上のポイントを意識しながら、必ず直接子供と話し合ってルールを決めてください。
親が勝手に決めたルールだと、最初は良くても、だんだんと子供の不満がたまって、関係が悪くなります。
どうせ持たせてあげるなら、子供が納得できるルールで持たせてあげましょう。
実際に活用されているルール5選
では、実際に中学生の子供を持つ親御さんがどういうルールを設けておられるか見ていきましょう。
皆さんもぜひ参考にしてみてください。
使用はリビングのみ。自室には持っていかない。
使用の場所を制限することで、親の目に届く範囲での使用時間、用途になるのがメリットです。
例えば、勉強などの調べ物もリビングに設定することで、自室にこもってのSNSやゲームの誘惑に負けずに勉強できる環境を作ることができることもメリットの1つであるといえます。
また、リビング以外の場所でWiFiが使えないようにしておけば、自然と自室での使用はなくなるかもしれません。
結構大変だけど、使い過ぎの予防にはなりますね。
21時~翌7時までは使用禁止
時間を区切るというのは、一番制限しやすいルールではないでしょうか。
LINE、Instagram、X、YouTubeなどのSNSは制限がなければいつまでも見てしまいます。夜の使用に制限をかけることで睡眠の妨げにはならないでしょう。
「○時以降禁止」だけだと、朝早く起きてゲームをする子供もいるかもしれませんので、「○時~○時」と定めることをおすすめします。
また、夜は感情的になりやすい時間帯です。
一時の感情に流されて、友人などとトラブルにならないよう夜の使用を制限するのは効果的です。
0時以降に寝る子が増えているから、これは必須のルールだね。
スマホに入れるゲームアプリを制限
ゲームが大好きな子にとっては、なかなか難しいルールだが、何種類もゲームアプリを入れると、いくらでもゲームをしてしまいます。
任天堂のSwitchは1日1時間と設定し、スマホゲームは禁止とされている親御さんもおられるので、「ゲームの数」を制限するのは効果的かもしれません。
スマホゲーム面白いのに残念……
様々な設定で親が確認できるよう管理
Googleのアカウントを使えば、小学生の設定にできるので、使用時間やアプリの制限ができます。
すべてを子供に託すのではなく、ある程度、親の目の届く範囲での使用を心がけてもらうよう子供に促すことは大切です。
テスト前はスマホを預かる
勉強に使えるスマホアプリもありますが、多くの子供は集中力が切れて、だらだらとスマホを触って、全然勉強できないということが大半です。
中学生のうちは、アプリに頼らず、紙の本とノートでの勉強で十分だと思いますので、一時的に預かるルールを設けてみましょう。
契約書は書かせていいの?
ルールを設けるなら、契約書はあった方がいい!
「契約書」と聞くと、
「そこまでする必要ある?」
「子供にそんなもの渡しても意味ないんじゃない」
という声があってもおかしくありませんが、むしろあった方がお互いにとって良いと思います。
中学生は大人が思ってる以上に大人の感覚を持っています。
ルールを定めるだけでは、守らなかった際にうまく言い逃れたり、反抗してきたり、時間が経つにつれて、ルールがうやむやになってしまいます。
契約書を作ることで、「お互いに納得したルール」であることを意識させることができ、自然とルールを守るようになります。
おすすめの契約書
ネットでおすすめの契約書がないかと探していると、
ありました!
元ヤフー執行役員・村上臣がお子さんに渡した「誓約書兼スマートフォン貸与契約書」というものです。
↓以下のリンク先から実際の契約書がダウンロードできるようになっているので、参考にしてみてください。
元ヤフー執行役員・村上臣がお子さんに渡した「誓約書兼スマートフォン貸与契約書」がガチだった
これは中学生の子供を持つ全ての親御さんにおすすめしたい!
なんといってもポイントは、
「子供を大人扱いすること!」
だそうです。
他の契約書は、固いものが多く、親が強制させている誓約書が多かったのに対して、
村上さんの契約書は、子供を究極に大人扱いすることによって、子供が「親と対等である」と意識して、真剣に向き合う事ができるんではないかと思います。
この契約書をきっかけにして、
・スマートフォンを使うとどういうリスクが起きうるのか
・リスクが発生したときに、どのように対応しなければいけないか
ということを話す機会ができるのではないかと、村上さんは仰っています。
そのままダウンロードして使うというよりかは、しっかりと契約書の見本を見直して、それぞれのご家庭の事情などに合わせてカスタマイズしながらお使いになられてはいかがでしょうか?
まとめ 子供としっかり話し合いながらルールを決めよう
中学生がスマホを持つのは当たり前の時代ですので、持たせることを前提に、しっかりと親が管理しながら、ルールを定めてあげることは非常に大事だということが分かったと思います。
それでは記事のまとめです。
・スマホを持たせるときは、依存症やネットトラブル、健康被害に気を付ける
・スマホの使い方のルールを子供と一緒に決める
・誓約書などを使って、ルールを徹底させる
・子供を「大人扱い」する
ルールをしっかりと守れば、これほど学びが多いツールはないと思いますので、お子さんと一緒に使い方について話し合ってみてください。
より良いスマホライフが待っているはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。